AMR (Antimicrobial Resistance)

 

日本語に訳すと薬剤耐性という意味です。

 

最近テレビなどのメディアでもよく取り上げられるようになりました。

 

近年薬剤耐性菌が増加する一方で新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあり、適切な抗菌薬の使用が課題になっています。

 

厚生労働省がその対策としてアクションプランを作成し、数値目標も設定しているようです。

 

有名な薬剤耐性菌であるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を2014年では黄色ブドウ球菌の51%の耐性率のものを2020年には20%を目指すなどの目標が掲げられています。

 

ちなみに2017年は40%程度であったとのことです。

 

薬剤耐性を作らない、増やさないためには適切な抗菌薬使用が求められます。

 

よく言われるのが「風邪に抗菌薬は使わない。」ということです。

 

しかし、一言で風邪と言ってもいろいろな疾患が含まれており、風邪症状を呈する方の中に急性副鼻腔炎や溶連菌感染による急性咽頭炎といった抗菌薬が必要な疾患もあります。

 

厚生労働省が出している抗微生物薬適正使用のガイドラインには急性副鼻腔炎で咳・痰が症状なし~軽度となっているところは耳鼻咽喉科医として気になりますが、所謂風邪なのか、急性副鼻腔炎なのか、急性咽頭炎なのか、気管支炎なのかを判断し、区別するのが重要であるという点は賛同するところです。

 

先日講演を拝聴した聖マリアンナ医科大学の國島先生の「感染症対策に対する最近の話題」でも風邪だから抗菌薬は使わないっと決めてしまうのではなく、必要なときには必要な量・日数を適切に使う必要があるとのことでした。

 

風邪症状が強い場合、なかなか治らない場合、一旦良くなっているように思ったが症状が残る、再度悪化する場合、激しい喉の痛みや高熱が伴う場合などのときは特に医療機関への受診を検討してください。



 

倉敷市児島柳田町598-2

小河原耳鼻咽喉科

小河原悠哉