昨日第253回岡山県耳鼻咽喉科集団会に参加してきました。

 

この日は先日岡山大学から熊本大学の教授に就任された折田先生の「甲状腺がんの治療について」という講演がありました。

 

甲状腺癌の罹患者数は全癌患者数のなかで男性18位、女性11位と統計されています。

 

ただここ20年で患者数が2.4倍に増えています。増えているのはサイズの小さい癌で検診で見つかる件数が増えているようです。

 

甲状腺癌には乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、未分化癌などの種類がありますが、ここ日本では9割型乳頭癌で、ついで濾胞癌が多い状況です。

 

甲状腺癌は低悪性と高悪性に分けられ、低悪性のものは全癌の中でも特に進行が遅く微小癌(1cm以下)であれば半年程度毎の経過観察になるぐらい(無治療ということです)悪性度は低いです。そして甲状腺癌の多くは低悪性です。

 

ただ年齢が高齢であること、4cm以上の腫瘍、増大傾向であることなどは予後が悪いリスク因子です。

 

つまり何も症状がなく偶然検診で見つかる(ここ20年でふえているもの)ほとんどは低悪性であり、積極的に見つける必要はないものです。


声嗄れ、痛み、飲み込み次の違和感、頸部の左右非対称、および放射線被爆歴のあるかたはエコーなどによる検診が望まれます。


気になる症状があるかたはご相談下さい。




 倉敷市児島598-2

小河原耳鼻咽喉科

小河原 悠哉